この本のタイトルに興味を持ったのはもちろん、『世界のエリートはなぜ美意識を鍛えるのか』の著者の山口さんが書かれた本ということで読んでみました。
『劣化するオッサン社会の処方箋 なぜ一流は三流に牛耳られるのか』
ここに書かれている「オッサン」の定義は、年代や性別での分類ではなく、
1.古い価値観に凝り固まり、新しい価値を拒否する
2.過去の成功体験に執着し、既得権益を手放さない
3.階層序列の意識が強く、目上の者に媚び、目下の者を軽く見る
4.よそ者や異質なものに不寛容で、排他的
という行動様式、思考様式をもった「特定の人物像」。
(たぶんみなさん、誰かしらの顔が思い浮かぶのでは 笑)
本では、なぜオッサンが劣化したのか?という理由から、中堅・若手がオッサンに対抗する方法などが書かれています。
◎どのような場所でも生きていけるためにスキル・知識を獲得する、今いる場所を「いつでも出ていける」ような状態にするために学び続ける
◎長いこと有用な知識や情報を学びたければ、その知識や情報が活用されてきた期間に着目しろ
◎社外でも通用する人的資本と社会資本を形成するためには、会社の外の人と一緒にいろんな仕事をするというのが一番良い
◎若年期=セカンドステージのちょっとした「発射角度の違い」が、数十年後に到達できる人生の行動を大きく左右する
◎失敗のダメージが小さいセカンドステージでたくさんチャレンジし、自分なりの「失敗のマニュアル」を作ってしまうことで、サードステージにおいて大胆なチャレンジができる、つまり「自分はどこでもやっていける」という自信の形成につながる
中でも「ほんとそれ!」と思わされたのは、この部分。
同じ仕事を30年続けているという人は「30年の経験がある」と主張したがるかも知れませんが、(中略)実際には「1年の経験から学び、あとは同じことを29年繰り返した」と言うべき
(※新しい経験の密度が低いから、という理由です)
この本を手に取る人は、おそらく「こうはなりたくない」と思っているはずなので、ここに書かれている内容は参考になると思います。
私も「良い仕事体験」を得るために、会社の外の人と関わりをもつようにしようと、意識的にそういった予定を入れるようにしました。
上の引用のような生き方をしている「オッサン」にこそ読んでほしい本なのですが、該当する人はおそらくこの本を読まないんでしょうね…残念。笑
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